イエレン米財務長官の「手のひら返し」
昨日のFOMCでは0.25%の利上げが
決定されたが、声明文中の
“Ongoing increases
in the target range”
(現在継続中の
ターゲットレンジの引き上げ)が
“some additional policy firming”
(いくらかの追加的引き締め)
となったことで、現サイクル中の
ターゲットレートが現状よりかなり
高くなるという事はなくなった。
あと1回あるかどうかということだろうか。
そうなると、ドルがこれ以上
急激に上昇するということも
難しくなってきたかもしれない。
この背景にあるのは、
金融システムへの不安だ。
パウエル議長は、
米国の金融システムは万全だと言うが、
イエレン米財務長官は、
中小の銀行が破綻した場合、
シリコンバレー銀行と同様の措置が
取られる可能性があると、
あたかも預金全額保護されるかのように
発言したが、本日、
「預金保険の適用範囲について、
大幅な拡大は検討してない」と、
手のひらを返したかのような発言を行った。
預金が保護されるのかどうか、
曖昧な状況では、大口預金者は、
小さい銀行から大きな銀行へ、
25万ドルの預金保障が
必ず適応されるように預金を移すだろう。
そうなると、米国の金融不安は続く。
一部の銀行の預金流出に
歯止めがかかるかどうかわからない。
金利上昇一服と、金融システム不安から、
ドルから離れる資金が増えるだろう。
ドル安だ。しばらくドル円の頭は重そうだ。