植田総裁「時間的余裕」を封印し、やや円高へ
このところ、トランプ大統領誕生を前提に
「トランプトレード」が進み、
米金利上昇=ドル高状況となっていた。
特に、利上げには「時間的余裕がある」と
早期の利上げを猶予していた円に対して
ドル高が進んだ。
しかし、ドル高円安は日本の
インフレ率上昇に結びつくため、
本日、日銀政策決定会合で、植田総裁は
(ある程度、市場は予想できていたが)
「時間的余裕」という言葉を封印し、
円安の状況次第では利上げも
あり得ることをほのめかした。
市場参加者の一部はその言葉を真に受けて
円買いを進めたが、果たして本当に日銀は
利上げできるのであろうか。
政局も流動化し、インフレ対策としての
減税を提唱する国民民主党が
キャスティングボードを握る状況下では、
日銀の利上げには制限が
かかるのではないだろうか。
目先、少し円買い戻しが進むだろうが、
潜在的に円は弱い。利上げ余地は
あまりない。トランプ氏が本当に大統領に
なった場合、米金利上昇に抗するほど
利上げすることは難しいだろう。
円安継続とみたい。