と思ったことはありませんか?
プライスアクションは、FXのトレードで愛用者も多いテクニカル手法です。
ただ、名前は知っていても、どのようなパターンがあるのか、形成される理由まではわからない人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。
この記事でわかること
- プライスアクションの種類
- 酒田五法やインジケーターとの違い
- 騙しを避けるためのポイント
この記事を読めば、プライスアクションが形成される理由や背景を知れるので、より売買判断がしやすくなります。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
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Contents
プライスアクションとは?
プライスアクションとは、ローソク足の動きから相場を判断する手法です。
ローソク足を見ると、実体やヒゲがそれぞれ長いものから短いものまでさまざまな形があります。
始値 | 期間中の開始時の価格 |
終値 | 期間中の終了時の価格 |
安値 | 期間中の最も高い価格 |
高値 | 期間中の最も安い価格 |
1本のローソク足には上記のような情報が詰まっています。
例えば上の画像の陽線を見ると、価格は始値よりも高くなっているものの、強く押し戻されていることがわかります。
強く押し戻されて終わっていることから、反転下落する可能性も視野に入れなければなりません。
このようにローソク足を見るだけで、その日その時間にどのような値動きがあったのか、今後どのような動きになるのかある程度予想しやすくなるのです。
インジケーターとの違い
FXで取引する際にチャートを見て値動きを予測する方法をテクニカル分析と呼びます。
テクニカル分析をする際によく使われるものとしてインジケーターがありますが、プライスアクションと比較すると、以下のような違いがあります。
プライスアクション | ローソク足の形や並び方から値動きを予測する |
インジケーター | 値動きの数値を計算式にあてはめて、再度計算した上で予測する |
例えば、インジケーターの1つである5日間移動平均線の場合は、5日間の終値を平均したものを1本の連続した線で表示しています。
一方でプライスアクションは、1本のローソク足のみでもその後の値動きを予測できる可能性があります。
そのため、一般的なインジケーターよりも判断に時間をかける必要がないため、素早いトレード判断をしやすいメリットがあるのです。
酒田五法との共通点や違い
日本では酒田五法を愛用するトレーダーも少なくありません。
酒田五法とは、江戸時代の米相場師である本間宗久によって提唱された日本発祥のテクニカル手法で、株式トレーダーを中心に愛用されています。
一方でプライスアクションは海外の投資家に愛用されているテクニカル手法です。
どちらも素晴らしいテクニカル手法ですが、FXのトレードに限ると、以下の理由によりプライスアクションの方が使いやすいといわれています。
- 為替相場の主役は、日本勢ではなくヨーロッパ勢やアメリカ勢だから
- 酒田五法のルールが必ずしも為替と相性が良いわけではないから
2023年現在の為替相場の主役は、日本勢ではなくヨーロッパ勢やアメリカ勢です。
その理由は「日本よりも海外の方が金融取引に抵抗感の少ない人が多い」「機関投資家の数および取引金額が多い」からです。
ヨーロッパ勢やアメリカ勢が為替相場の大筋の動きを決めるといっても過言ではないため、彼らが普段から意識しているプライスアクションの方が相場の値動きに影響を与える可能性があります。
加えて、酒田五法のルールは、株式相場と比べると為替相場との相性が良いとまではいえません。
実際、酒田五法のルールの1つである三空(窓開け)は、平日24時間市場が動き続けている為替相場ではあまり発生しない現象です。
したがって、為替相場に限れば、プライスアクションの方がテクニカル分析をしやすいといえるでしょう。
プライスアクションの一覧
ここからは、プライスアクションのいくつかのパターンについて順番に解説します。
- スラストアップ・スラストダウン
- ランウェイアップ・ランウェイダウン
- リバーサルハイ・リバーサルロー
- ピンバー
- インサイドバー・アウトサイドバー
- フェイクセットアップ
- フォールスブレイクアウト
それぞれの特徴について見ていきましょう。
1. スラストアップ・スラストダウン
スラストアップとは、直前のローソク足の高値よりも高い位置で終値が確定する時に出現します。
強いトレンド相場でよく出現するパターンで、買いの勢いが強いことを表します。
スラストダウンは、逆に直前のローソク足の安値よりも低い位置で終値が確定する時に出現するパターンです。
売りの勢いが強い時にたびたび出現するパターンで、安易に買うと下落に巻き込まれて大きな損失を被る可能性があるので注意しましょう。
2. ランウェイアップ・ランウェイダウン
ランウェイアップとは、継続的な上昇トレンド中によく出現します。
ランウェイアップの条件は以下の通りで、日足の場合はnを5本とするケースがほとんどです。
- ローソク足の高値が過去n本よりも高い
- 直後のn本のローソク足が安値を下回っていない
過去の高値より価格が切り上がっており、その後も以前の安い価格に戻っていないため、まだ買いの勢いが強いことがわかります。
反対にランウェイダウンは、継続的な下降トレンド中によく出現するもので、条件は以下の通りです。
- ローソク足の高値が過去n本よりも安い
- 直後のn本のローソク足が高値を上回っていない
つまり、ランウェイアップとは逆に、売りの勢いが強いことを表します。
3. リバーサルハイ・リバーサルロー
リバーサルハイとは、上昇から下落に転換する時に出現します。
当日の高値が1本前のローソク足の高値を更新したものの、終値は前日より下回っています。
更新した高値を維持できなかったため、その後は下落トレンドに転換しやすくなるのです。
逆にリバーサルローは、下降トレンドからの転換時に出現します。
当日の安値が1本前のローソク足の安値を更新したものの、終値は前日を超えており、最終的には1本前のローソク足より高値をつけています。
売り方の勢いが衰えているため、その後は上昇していく可能性が高くなるでしょう。
4. ピンバー
ピンバーは、トレンド転換を示唆する強いシグナルです。ピンバーという名前の由来はピノキオ(pinoccio)の長い鼻から来ているといわれています。
一般的にヒゲの長さが実体の3倍以上になっているローソク足がピンバーの定義です。
長い上昇トレンド中に売りのピンバー、長い下降トレンド中に買いのピンバーが出現するとトレンドが転換しやすくなります。
例えば、売りのピンバーの長い上ヒゲは、売り方の勢いが強く高値を維持できなかった証拠といえるでしょう。
買いポジション保有中にピンバーが出現したら、決済した方が良いほど売りの勢いが強いので注意が必要です。
5. インサイドバー・アウトサイドバー
インサイドバー・アウトサイドバーは、保ち合い相場やトレンド発生前に出現するもので、以下はいずれも上昇する場合のパターンです。
インサイドバーは、最初のローソク足の範囲内で価格が落ち着いています。
買いと売りの勢いがほぼ拮抗していますが、どちらかに大きく動くとそのままトレンド相場に発展しやすくなるでしょう。
アウトサイドバーは、インサイドバーとは逆に、最初のローソク足の高値・安値をそれぞれ更新する形で形成されます。
ローソク足が安値を更新したものの、終値は直前のローソク足よりも高値で終わっているため、買いの勢いが強いことを示唆します。
よって、次のローソク足で高値を超えれば、そのまま上昇していく可能性が高くなります。
6. フェイクセットアップ
フェイクセットアップは、レンジ相場でブレイクアウトに失敗した後、逆方向に値動きが加速する時に出現します。
上の画像を見ると、最初にレンジ相場のサポートラインを割り、安値更新をしています。しかし、終値はレンジ相場の中まで戻っており、ブレイクアウトに失敗しました。
長い下ヒゲが形成されているので、買い方の勢いが強いことがわかります。
下方向へのブレイクに失敗したため、今度は逆に上方向への値動きが加速しやすくなります。
7. フォールスブレイクアウト
フォールスブレイクアウトは、サポートあるいはレジスタンスからのブレイクアウトに失敗したときに出現します。
上のチャートでは、直近安値を更新したものの長い下ヒゲがついて、終値は高い位置で終わっています。
サポートからのブレイクアウトが失敗した結果、反対に買い方向への動きが加速します。
プライスアクションで取引しても失敗するといわれている理由
プライスアクションを使っているけど失敗すると言う人もいるでしょう。
実際、単体で使うだけでは勝率が高くないので、何度も騙しに遭うケースは珍しくありません。
したがって、ただパターンを覚えるだけではなく、ローソク足の形ができている背景について理解した上でエントリーするのかを判断する必要があります。
なお、数種類あるプライスアクションを全て覚える必要はありません。
全ての種類を中途半端に覚えるよりも、いくつかあるうちの1つを深く理解した方が勝率を高くできる可能性があります。
プライスアクションによる騙しを避けるポイント
プライスアクションを使っても、その通りに動かないことは珍しくありません。
できるだけ騙しに遭わないためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。
- 他のテクニカル指標と併用する
- 相場の全体像から直近の値動きがどの位置にあるか
- 必ず上位足も見て判断する
順番に、それぞれのポイントを見ていきましょう。
1. 他のテクニカル指標と併用する
プライスアクションを使うときは、他のテクニカル指標と併用しましょう。
例えば、以下のチャートでは、フォールスブレイクアウトが出現しており、上昇方向への動きが予想されます。
加えて、ストキャスティクスを見ると、買いのゴールデンクロスが出現しています。より上昇方向へ動く根拠が強くなったため、買っても良いでしょう。
一方で、ストキャスティクスによる上昇のシグナルが出現していない場合は、買い注文を見送った方が良いかもしれません。
2. 相場の全体像から直近の値動きがどの位置にあるか
プライスアクションが出現したチャートを狭い範囲で見るのはおすすめできません。
なぜなら、チャートの狭い範囲のみを見た場合、プライスアクションの出現した箇所が高値・安値のどちらなのかわかりにくいからです。
そこで、以下のチャートのように、表示範囲を広げて相場の全体像を見るようにしましょう。
相場の全体像からリバーサルハイが高値圏で出現したことがわかります。
そのため、この局面での売り注文は間違ってはいません。
もちろんそれでも上昇する可能性はありますが、闇雲にエントリーするよりは勝率が高くなりやすいでしょう。
3. 必ず上位足も見て判断する
プライスアクションでエントリーする時は、必ず上位足も見て判断しましょう。
例えば、1時間足で売りのピンバーが出現したと仮定します。
次に、1時間足の上位足である日足がどうなっているのかを見ると、下落トレンドかつ現在の価格帯がレジスタンスラインの上限に位置していることがわかります。
つまり、直近数日は上昇しているものの、今後下落トレンドに転換する可能性は十分あるのです。
実際、1時間足で売りのピンバーが出現後、下落トレンドが発生しています。
プライスアクションに関するよくある疑問に回答
この章では、プライスアクションに関するよくある疑問に回答します。これからプライスアクションを活用したい人は、ぜひ参考にしてみてください。
プライスアクションはバイナリーオプションにも活用できますか?
プライスアクションはローソク足の形状から値動きを判断する手法のため、バイナリーオプションにも活用できます。判定時間の値動きを予測しなくてはならないので、FXとは異なる点もありますが、利益を得られる可能性はあります。
プライスアクションの鉄板のパターンはありますか?
プライスアクションの鉄板のパターンは、トレンド転換を示すピンバーやトレンド継続を示すスラストアップ・スラストダウンなどがあります。
プライスアクションの教科書となる代表的な書籍はありますか?
陳 満咲杜著の「パターンを覚えるだけで勝率7割超! FXチャートの読み方」やアル・ブルックス著の「プライスアクショントレード入門」などがあります。
プライスアクションでのトレードがうまくいかない原因は何ですか?
プライスアクションでトレードしてもうまくいかない原因は、1つのテクニカル指標のみに頼っている可能性が高いです。
上位足を見たり他のインジケーターと併用したりすれば、勝率が高くなるかもしれません。
プライスアクションと酒田五法の違いは何ですか?
プライスアクションはヨーロッパやアメリカの為替トレーダーを中心に愛用されています。一方で、酒田五法は、日本の株式トレーダーがよく利用するテクニカル指標です。株式市場と為替市場では値動きの特徴も異なるので、プライスアクションの方が使いやすいでしょう。
プライスアクションはスキャルピングに活用できますか?
プライスアクションは、1本あるいは数本ローソク足の形から相場を予測します。インジケーターよりも短期間の相場予測がしやすいため、スキャルピングにも活用できます。
まとめ:
FXで取引するならプライスアクションを覚えてみよう
FXで取引するならプライスアクションは、ぜひ覚えてみましょう。
なぜなら、相場が動いている理由や背景も理解できるので、トレード判断がしやすくなるからです。
インジケーターと併用したり、出現した位置から判断したりすることで、騙しに遭う確率を下げられるかもしれません。
なお、これからFXで取引をするなら、多くのポジションを保有できるレバレッジの高い海外FX業者がおすすめです。
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