といった疑問をもっていませんか?
一目均衡表とは、チャート上では5本の線を表示させて相場を分析する手法です。
一目均衡表を使ったFXトレードの手法には様々な種類があるため、どのような手法があるのか把握できていない方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。
- FXの一目均衡表の見方
- 一目均衡表を使ったFXトレード手法
- 一目均衡表をFXトレードで使う際の注意点
一目均衡表の使い方やトレード手法を身に付ければ、FXで利益を狙いやすくなるでしょう。
これからFXで取引を始めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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Contents
FXの一目均衡表とは?
一目均衡表は、細田悟一氏(筆名は一目山人)が発案者とされている「いつ相場が動くのか」といった時間軸に重きを置いた分析方法です。
FXでは、チャート上に一目均衡表のテクニカル指標を表示させて、ローソク足との位置関係から相場の方向性や強弱を分析します。
FXの一目均衡表を構成する5本の線
一目均衡表は、以下の5つの線から成り立っています。
- 基準線
- 転換線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
- 遅行スパン
それぞれの意味と見方を解説します。
1.基準線
基準線(オレンジの線)は、直近26日間の最高値と最安値の平均値をつないだ線です。
例えば、直近26日間の最高値が140円、最安値が130円の場合は、基準値が135円となります。
基準線は中期的な相場を分析するときに活用でき、基準線が上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドと判断できます。
2.転換線
転換線(紫色の線)は、直近9日間の最高値と最安値の平均値をつないだ線です。
転換線は短期的な相場を分析するときに適しており、上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンドと把握できます。
3.先行スパン1・先行スパン2
先行スパンは、今までの値動きが今後の為替相場にどのような影響を与えるかを表した線で、先行スパン1と先行スパン2の2種類があります。
先行スパン1(緑色の線)は、基準線と転換線の平均値を26日後に示す線です。
先行スパン2(ピンク色の線)は、直近52日間の最高値と最安値の平均値を26日後に表示させた線です。
2本の先行スパンは、チャート上の右側に先行して走る線となり、今後の値動きを分析するときに活用できます。
なお、先行スパン1と先行スパン2の間を塗りつぶすと現れる帯状の部分(緑色の部分)を「雲」と呼び、価格を下支えする支持帯、価格の上昇を押さえつける抵抗帯としての役割をもつことがあります。
4.遅行スパン
遅行スパン(黄色の線)とは、当日の終値を26日さかのぼって表示させた線のことです。
遅行スパンを見ることで、当日の価格と26日前の終値を比較できます。
一目均衡表を使ったFXトレード手法
一目均衡表の主なトレード手法には、以下の5つがあります。
- 基準線と転換線を組み合わせる
- 先行スパン1と先行スパン2を組み合わせる
- 遅行スパンとローソク足の位置関係を見る
- 三役好転を見極める
- 三役逆転を見極める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.基準線と転換線を組み合わせる
基準線が上向きで、なおかつ現在の価格が基準線の上に位置するときは、強い上昇トレンドが発生中であることを示唆します。
一方、基準線が下向きで、現在の価格が基準線よりも下に位置する場合は、強い下降トレンドが発生していると判断できるでしょう。
また、下図のように転換線と組み合わせることで売買サインとしても活用できます。
基準線と転換線が交差すると、相場の転換のサインとなり、以下のようなエントリーポイントとして活用できます。
手法 | シグナルサイン | 売買方向 |
ゴールデンクロス | 転換線が基準線を下から上に通り抜ける | 買いのサイン |
デッドクロス | 転換線が基準線を上から下に通り抜ける | 売りのサイン |
2.先行スパン1と先行スパン2を組み合わせる
先行スパン1と先行スパン2からできる「雲」と為替レートの位置関係を見ることも効果的です。
雲の上に現在の価格が位置していれば買い圧力が強く、雲の下に位置していれば売り圧力が強い状況を示唆します。
現在の価格が雲の中にある場合は、雲の中から抜け出すと、強いトレンドが発生しやすいとされており、下図のようにエントリーするのがおすすめです。
雲を活用するときは、以下のシグナルサインを押さえておきましょう。
シグナルサイン | 売買方向 |
現在の価格が雲を上に突き抜ける | 買いのサイン |
現在の価格が雲を下に突き抜ける | 売りのサイン |
ただし、雲を抜けきれていない場合は、だましに遭う可能性があるため、雲を抜けたあとの相場の動きをしばらく見てからエントリーしましょう。
3.遅行スパンとローソク足の位置関係を見る
下図のように、遅行スパンとローソク足の位置関係から、今後の相場の方向性を確認することもできます。
遅行スパンが現在の価格よりも上にある場合は上昇トレンド、下にある場合は下降トレンドになる可能性が高いです。
そのため、以下のような売買サインとして活用できます。
シグナルサイン | 売買方向 |
遅行スパンがローソク足を下から上に抜ける | 買いのサイン |
遅行スパンがローソク足を上から下に抜ける | 売りのサイン |
4.三役好転を見極める
以下の3つの条件がすべて揃った状況を「三役好転」と呼び、強い買いサインとなります。
- 転換線が基準線を下から上に通り抜ける
- 遅行スパンがローソク足を上に通り抜ける
- ローソク足が雲を上に突き抜ける
三役好転は、基本的にこの順番で現れますが、2の遅行スパンのサインが先に見られることもあります。
実際のチャートは、下図の通りです。
5.三役逆転を見極める
以下の3つの条件がすべて揃ったときは「三役逆転」と呼ばれ、強い売りサインとなります。
- 転換線が基準線を上から下に通り抜ける
- 遅行スパンがローソク足を下に通り抜ける
- ローソク足が雲を下に突き抜ける
三役逆転が出現したチャートは、下図の通りです。
三役好転と三役逆転は、トレンドの発生時に有利な手法ですが、価格がもみあっている状況ではだましになる可能性があるのでエントリーするのは避けましょう。
FXの一目均衡表における3つの理論
FXの一目均衡表は、以下の3つの理論を基にしているといわれています。
- 時間論
- 波動論
- 水準論
それぞれ詳しく解説します。
1.時間論
時間論とは「いつ相場が変動するか」といった時間を重視する考え方です。
一目均衡表では「9」「17」「26」を基本数値とし、この期間で相場が転換しやすいといわれています。
この基本数値は、基準線や転換線を求めるときの期間に使用されていることからも、重要といえるでしょう。
基本数値を組み合わせた「33」「42」「65」「76」といった複合数値と呼ばれるものもあります。
2.波動論
波動論は、チャートの波形パターンから分析をする考え方で、下図の3つのパターンが基本形とされています。
波動論では、上昇だけ・下降だけのI波動と、下降→上昇・上昇→下降のV波動を繰り返し、最終的に上昇→下降→上昇または下降→上昇→下降のN波動を形成するとされています。
3.水準論
水準論は、上値と下値から次の天井と底を予測する考え方です。
代表的なのは、価格が第1波で上昇し、その後第2波で下落、第3波で再び上昇する相場のときに値動きを予測する以下の4つの計算値を使う方法です。
- E計算値
- V計算値
- N計算値
- NT計算値
それぞれ詳しく解説します。
E計算値
E計算値では、下図の第1波の値幅①と比較して第3波の値幅②が2倍になると予測できます。
V計算値
V計算値を活用すると、下図のように第2波の値幅①と比較して第3波の値幅②が2倍になると予測できます。
N計算値
N計算値は、下図のように第1波①と第3波②が同じ値幅になるという計算値です。
NT計算値
NT計算値では、下図の第1波と第2波の差①と第3波の値幅②が同じになると予測できます。
一目均衡表を使ったFXトレードで利益を狙うコツ
FXで一目均衡表を使うときは、以下の3つのコツを押さえると、利益を狙いやすくなります。
- 日足チャートで活用する
- 複数のインジケーターと組み合わせる
- 損切りラインを決めておく
それぞれ詳しく解説します。
1.日足チャートで活用する
FXの一目均衡表は、発案者である細田悟一氏が日足チャートで取り入れることを推奨しています。
その理由は、一目均衡表の5つの線を算出するときの基本数値である「9日」「17日」「26日」は日足をもとに算出されているためです。
他の時間足で用いているトレーダーもいますが、コツを掴むまでは基本的に日足チャートでの相場分析の際に活用するのがおすすめです。
2.複数のインジケーターと組み合わせる
一目均衡表は複数のインジケーターと併用すると、だましを避けられたり、利益を狙いやすくなったりします。
例えば、以下のインジケーターは相性が良いとされています。
- MACD
- RSI
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
これらと一目均衡表の売買サインが重なったときは、勝率の高いエントリーポイントとして活用できるでしょう。
それぞれのインジケーターの売買サインを詳しく解説します。
MACD
MACD(マックディー Moving Average Convergence/Divergence)は、より新しいデータに比重を置く考えに基づき、移動平均線を発展させたテクニカル指標のことです。
トレードに活用する際は、下図のようにMACDラインとシグナルラインの2つを使って分析するのが基本です。
具体的なシグナルサインは、以下の通りです。
手法 | シグナルサイン | 売買方向 |
ゴールデンクロス | MACDラインがシグナルラインを下から上に抜ける | 買いのシグナル |
デッドクロス | MACDラインがシグナルラインを上から下に抜ける | 売りのシグナル |
RSI
RSI(アールエスアイ Relative Strength Index)とは、一定期間の為替相場の上昇幅と下落幅の累計を算出し、上昇幅の累計が値動きの全体の何%を示しているかを指数化したテクニカル指標です。
下図のようにRSIが70%以上の場合は買われ過ぎ、30%以下の場合は売られ過ぎと判断できます。
RSIは、以下のような売買サインとしても使えるでしょう。
シグナルサイン | 売買サイン |
RSIが70%以上 | 売りエントリー |
RSIが30%以下 | 買いエントリー |
移動平均線
移動平均線は向きと角度を見ることで、相場の方向性や強さを確認できるトレンド系インジケーターです。
移動平均線の角度が大きいときはトレンドの継続、緩やかなときはレンジ相場の継続を示唆します。
また、短期線と長期線を組み合わせて以下のようなトレンド転換を予想することも可能です。
移動平均線の売買サインは、以下の通りです。
手法 | シグナルサイン | 売買方向 |
ゴールデンクロス | 短期線が長期線を下から上に抜ける | 買いのシグナル |
デッドクロス | 短期線が長期線を上から下に抜ける | 売りのシグナル |
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドは、移動平均線と2本の標準偏差で構成されたトレンド系インジケーターです。
価格が+2σ(一番高値のライン)と−2σ(一番安値のライン)の間に収まるという考え方に基づく指標で、価格がライン内に収まる確率は95.45%といわれています。
ローソク足がボリンジャーバンドの平均偏差ラインに近づいたときに反発する可能性が高いので、順張りと逆張りのどちらでも活用できます。
例えば、下図では-2σで反転して上昇する可能性が高いと判断でき、買いエントリーをするのが効果的です。
3.損切りラインを決めておく
一目均衡表や他のインジケーターで導いた売買サインと反対方向に相場が動いたときは、損失が拡大しないように適切なタイミングで損切りしなければなりません。
損切りが遅れて、大きな損失を受けないためには「〇〇pips反対方向に動いたら損切りする」といったように、あらかじめ損切りラインを決めておくことが大切です。
損をしたくない感情から、損切りが遅れそうな場合は、設定価格に値動きすると自動的に決済される「逆指値注文」を活用してみましょう。
▶損切りラインの決め方はこちらで詳しく解説!
▶逆指値注文の設定方法はこちらで詳しく解説!
一目均衡表をFXトレードに取り入れる際の注意点
一目均衡表をFXトレードに取り入れる際は、以下の点に注意が必要です。
- だましに注意する
- 雲のねじれが見られたときは取引を避ける
- 経済指標や要人発言を確認する
それぞれ詳しく解説します。
1.だましに注意する
だましとは、テクニカル指標で導いた売買サインと異なる方向に価格が動くことです。
一目均衡表から読み取れた相場の方向性やエントリーポイントは、必ずしも正解であるとは限りません。
だましに遭ったときに大きな損失を受けないためにも、あらかじめ損切りラインを設定したり、逆指値注文を活用したりするようにしましょう。
また、だましを避けるには他のインジケーターと併用することも有効です。
2.雲のねじれが見られたときは取引を避ける
下図のように先行スパン1と2の間にある雲にねじれが見られたときは、取引を避けるのがおすすめです。
雲のねじれが見られると、相場の急変が起こる可能性が高まるといわれています。
値動きの予測が難しくなるので、雲のねじれが発生しているときはトレードするのを避けるようにしましょう。
3.経済指標や要人発言を確認する
為替相場は、経済指標の発表や要人発言により、大きく変動することがあります。
経済指標や要人発言を確認せず、一目均衡表などのインジケーターに頼った取引をすると、想定外の値動きに巻き込まれて、大きな損失につながる可能性があります。
経済指標の発表や要人発言のあとの相場は、経験豊富なトレーダーでも予測が困難であるといわれているので、FX初心者の場合は取引を避けるのが良いでしょう。
▶急激な値動きが起こる理由はこちらで詳しく解説!
▶FXで重要度の高い経済指標はこちらで詳しく解説!
まとめ:一目均衡表のトレード手法を身に付けてFXで利益を狙おう
一目均衡表は、5本の線の方向性や為替レートとの位置関係を見て、相場分析に活用するのが一般的です。
だましを避けたり、より多くの利益を狙ったりするには、MACDやRSIといった他のインジケーターと併用するのがおすすめです。
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