FXで重要度の高い経済指標｜トレードへの活用方法や注意点を解説
といった疑問をもっていませんか？
経済指標は、FXトレーダーなら押さえるべき重要なデータです。
しかし、さまざまな経済指標が発表されているので、どの指標を優先的に確認するべきか悩んでいる方もいるでしょう。
そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。
この記事でわかること
- FXで経済指標が重要とされている理由
- FXで重要度の高い経済指標
- FXトレードに経済指標を活用する方法
重要な経済指標を把握しておけば、急な値動きにも対応しやすくなります。
経済指標発表時のトレードに興味のある人は、ぜひ参考にしてみてください。
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Contents
FXで経済指標が重要とされている理由
FXの経済指標とは、政府や中央銀行などが発表する経済に関連する統計データのことです。
日本はもちろん、欧州各国、米国などさまざまな国が発表しています。
経済指標には、景気や雇用、物価といった指標があり、発表内容によって為替相場が大きく変動することがあります。
特に、ファンダメンタルズ分析でトレードしている個人投資家や機関投資家は、経済指標の発表日時や見方を必ず押さえておきましょう。
米国の経済指標が重要視される理由
世界各国のなかでも米国の経済指標は重要視されている傾向があるため、米ドルのトレードをしていない人も確認することをおすすめします。
なぜなら、米ドルは国際貿易や金融取引において広く使用されている通貨であり、流動性も高いからです。
為替市場において米ドルは基軸通貨であるため、米国の経済状況が相場全体に大きな影響を与えることがあります。
国際決済銀行が発表した「2022年外国為替市場及び店頭（OTC）デリバティブ市場に関する中央銀行サーベイ」によると、2022年の外国為替市場における通貨別取引高では、米ドルが対象の取引が約88%を占めています。
2番目に多いユーロが約31％であることを考えると、他の通貨よりも圧倒的に取引高が高いです。
そのため、米国経済の動向は世界経済にも大きな影響を与えます。
米国経済が良ければ他の国の経済も良くなりやすい一方、米国経済が悪化すれば他の先進国や新興国の経済にも悪い影響が出やすいので注意しましょう。
【一覧】FXで重要度の高い米国の経済指標
為替レートの変動幅は、経済指標の重要度が高くなるほど大きくなります。
ここでは、FXで重要度が高いとされている以下の経済指標を紹介します。
- 米国雇用統計
- GDP（国内総生産）
- CPI（消費者物価指数）
- 小売売上高
- 鉱工業生産指数
- 景況感指数
- 政策金利
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1．米国雇用統計
米国雇用統計とは、米国労働者の雇用状況を調査した指標のことで、米国の労働省労働統計局が毎月発表しています。
基本的に毎月12日を含む一週間を調査対象期間とし、翌月の第1金曜日の日本時間午後9時30分（冬時間は午後10時30分）に発表されるのが通例です。
雇用統計は、米国以外の国でも発表されていますが、基軸通貨の米ドルに大きな影響を与える米国の経済指標に注目度が集まりやすくなります。
米国雇用統計では10項目以上の指標が発表されますが、為替相場に影響を与えやすい以下の3つを中心に確認するのがおすすめです。
- 平均時給
- 非農業部門雇用者数
- 失業率
特に平均時給が予想を上回ったときは、個人消費が促進されることで米国の景気が良くなることが期待できます。
▶米国雇用統計の発表時にFXトレードするコツはこちらで詳しく解説！
2．GDP（国内総生産）
GDPは、一定期間に国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の総額のことで、Gross Domestic Product（国内総生産）の略称として用いられます。
一般的に四半期（3ヶ月）ごとに発表され、国の経済規模を比較するときに使われます。
基本的に速報値と改定値、確報値が別々に発表され、注目度が高いのは最初に発表される速報値です。
その理由は、GDP自体が過去の情報を基に算出しているため、投資家や市場関係者から重要視されていないからです。
重要な経済指標の一つですが、発表があってもほとんど為替レートが動かないこともあります。
▶GDPの概要やトレードに活用するときのポイントはこちらで詳しく解説！
3．CPI（消費者物価指数）
CPIとは、消費者が購入するモノやサービスの価格の水準を表す数値で、インフレ状況や景気を判断する際に用いられる指標です。
CPIは、モノやサービスを買う人が増えれば上昇し、減ると下落する傾向があるため「経済の体温計」と呼ばれています。
米国のCPIは、毎月15日前後の日本時間午後9時30分（冬時間は午後10時30分）に発表されます。
▶CPIをトレードに活用するときのポイントはこちらで詳しく解説！
4．小売売上高
小売売上高は、百貨店やスーパーマーケット、コンビニといった小売業者の売上額をまとめた指標です。
米国では個人消費がGDPの7割近くを占めるので、小売売上高から米国のおおまかな景気が読み取れます。
原則、毎月第2週（13日ごろ）の日本時間午後9時半（冬時間は午後10時半）に前月分が発表されます。
5．鉱工業生産指数
鉱工業生産指数は、コンピューターや自動車、電子製品といった工業品の生産高をまとめた経済指標で、サービス業の景況や個人消費の動向を把握できます。
例えば、電化製品の生産高の増加が見られたら、個人消費が活発になっている可能性が高いといえるでしょう。
米国の鉱工業生産指数は、毎月15日前後の日本時間午後10時15分（冬時間は午後11時15分）に発表されます。
6．景況感指数
景況感指数は、消費者やアナリストに実施した現在の景気や今後の景気動向に関するアンケート調査の結果をまとめた指標です。
米国では、以下の景況感指数は注目度が高い傾向があります。
- 米国・コンファレンスボード消費者信頼感指数
- ミシガン大消費者信頼感指数
それぞれ詳しく解説します。
米国・コンファレンスボード消費者信頼感指数
米国・コンファレンスボード消費者信頼感指数は、米国の民間調査機関であるコンファレンスボードが消費者へのアンケート調査をもとに作成する指標です。
1985年を基準に、数値が100未満だと1985年より景気が悪く、100以上だと1985年より景気が良いことを表します。
毎月最終火曜日の日本時間午後11時（冬時間は午後12時）に発表されます。
ミシガン大消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、米国のミシガン大学が消費者に実施するアンケート結果をもとに作成する指数で、米国・コンファレンスボード消費者信頼感指数に先行して発表されます。
1966年を基準として、数値が100未満だと1966年より景気が悪く、100以上だと景気が良いことを示します。
発表日時は、毎月10日前後の金曜日の日本時間午後11時（冬時間は午後12時）です。
7．FOMC
FOMC（連邦公開市場委員会）は、米連邦準備制度（FRB）が開く金融政策を決定する会合です。
FOMCでは、政策金利や金融政策の方向性が示されるので、注目度が高いイベントとされています。
年に8回開催され、日本時間午前3時（冬時間は午前4時）に発表されます。
ユーロ圏や日本で重要度の高いFXの経済指標
経済指標はさまざまな国で発表されるので、普段トレードしている通貨に関連する国の経済指標を中心に確認しましょう。
ここからは、ユーロ圏と日本の重要度の高い経済指標を紹介します。
1. ユーロ圏
ユーロは、EUに加盟する20ヶ国で流通しており、米ドルの次に取引量が多い通貨です（2024年時点）。
ユーロ圏の経済指標を確認するときは、以下の指標を優先して押さえるようにしましょう。
| 経済指標 | 発表時間 |
| ユーロ・雇用統計 | 翌々月上旬の日本時間18時（冬時間は19時） |
| ユーロ・消費者物価指数（HICP） | 隔週で日本時間18時（冬時間は19時） |
| ユーロ・小売売上高 | 毎月上旬の日本時間18時（冬時間は19時） |
| ドイツ実質GDP（速報値） | 翌四半期2か月目（四半期ごと）の中旬頃の日本時間17時（冬時間は18時） |
| ECB（欧州中央銀行）理事会 | 年8回、日本時間20時45分（冬時間は21時45分） |
| ZEW景況感指数 | 毎月中旬の日本時間18時（冬時間は19時） |
| IFO景況感指数 | 毎月下旬の日本時間17時（冬時間は18時） |
特にEUの政策金利を決定するECB（欧州中央銀行）理事会は重要なイベントです。
その理由は、ECB理事会によって決まった政策金利は、EU加盟国それぞれの経済に強い影響を与えるからです。
例えば、2011年にECBが利上げをした結果、南欧諸国において財政危機を悪化させたことがあります。
ユーロを取引する機会がない人でも、ECB政策金利の結果は確認するようにしましょう。
2．日本
日本円は、米ドルとユーロに次いで3番目に取引量が多い通貨です。
日本の経済指標で重要なものは、以下の通りです。
| 経済指標 | 発表時間 |
| 日銀・金融政策決定会合 | 年8回かつ毎回12時前後（発表時間未定） |
| CPI（消費者物価指数） | 毎月19日を含む週の金曜日の8時30分 |
| 日銀短観 | 毎年4月、7月、10月の初旬と12月中旬の8時50分 |
各経済指標について詳しく解説します。
1. 日銀・金融政策決定会合
日銀・金融政策決定会合とは、日銀の政策委員会が金融政策を話し合うために開く会合のことです。
年8回、2日に分けて開催されるもので、公定歩合、準備預金制度の準備率、金融市場調節の方針などを話し合います。
特に政策金利の発表が投資家からの注目度が高いです。
日銀・金融政策決定会合の議事録は、次回会合で承認された3営業日後に公表されるので、必ずニュースで確認しておきましょう。
2. CPI（消費者物価指数）
CPI（消費者物価指数）は、全国の世帯が購入するモノやサービスの価格変動を時系列的に測定する指標です。
CPIが重要視されている理由は、経済活動が活発になると物価上昇率が高まり、経済の状況を把握するのに役立つためです。
加えて、日銀の金融政策を決定する際の判断材料として用いられることもあります。
日本のCPI（消費者物価指数）は、毎月19日を含む週の金曜日の午前8時30分に総務省統計局が公表します。
3. 日銀短観
日銀短観の正式名称は「全国企業短期経済観測調査」です。
四半期に一度発表され、日銀が全国の民間企業約10,000社に景況感などをヒアリングしたうえで作成する指標です。
日銀短観の結果が良いと、円の需要が高まり円高につながりやすくなります。
一方、発表内容が悪いと、円の需要が下がることで円安に傾きやすくなります。
FXトレードに経済指標を活用する手順
FXトレードに経済指標を活用する手順は、以下の通りです。
- 経済指標の発表日時を確認する
- 投資家の予想を確認する
- 経済指標の発表内容を踏まえてトレードする
順番に詳しく見ていきましょう。
1．経済指標の発表日時を確認する
まずは取引プラットフォームや各FX業者の公式サイトの経済指標カレンダーで経済指標の発表日時を確認しましょう。
経済指標発表前後は、値動きが大きくなりやすく、短期間で多くの利益を狙える可能性があります。
一方、値動きが大きい分、損失額が想定外の損失を被ることもあるので、FX初心者は経済指標発表前後の取引を控えるようにしましょう。
米国や欧州、豪州では、サマータイム（夏時間）と冬時間で経済指標の発表時間が異なる場合があります。
米国では、毎年3月第2日曜日から11月の第1日曜日が夏時間、11月の第1日曜日以降〜翌年3月の第2日曜日までが冬時間となり、冬時間では経済指標の発表時間が夏時間よりも1時間遅れます。
経済指標の発表時間を正確に把握していなかった場合、ポジション調整が遅れて損失を被ることもあるので注意が必要です。
2．投資家の予想を確認する
経済指標の発表日時をチェックしたあとは、投資家やFX業者が公開している予想値と前回結果を確認します。
事前に予想値を確認しておくと、経済指標発表後のトレード戦略が立てやすくなります。
予想値と前回値に大きな乖離があると、想定以上の値動きをする可能性があるので注意しましょう。
経済指標を活用したトレードの要領を押さえたら、自身で発表内容を予想したうえで取引するのもおすすめです。
3．経済指標の発表内容を踏まえてトレードする
経済指標の結果の良し悪しだけで、為替相場が変動することはあまりありません。
相場が大きく動きやすいのは、経済指標の発表内容と投資家の予想にずれがあったときです。
例えば、米国雇用統計の平均時給が予想を上回ったときは、個人消費が促進されることから米国全体の景気が上向きになることが予想できます。
その結果、米ドルの価値が高まり、米ドル/円であれば価格が上昇する可能性があるでしょう。
このように経済指標を活用するときは、予測と発表内容の違いを踏まえた予測をするのがポイントです。
なお、発表内容が良かった場合でも、投資家の予想ほど伸びなかったときは下落することがあります。
今後の値動きを予測するためには、投資家予想や前回の数値を小まめに確認しておくことが大切です。
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FXで経済指標を活用する際の注意点
FXで経済指標を活用する際は、以下の4点に注意しましょう。
- 経済指標の発表結果が値動きに影響を与えないこともある
- スリッページが発生しやすくなる
- ロスカットが実行される可能性がある
- 経済指標発表時のみを狙った取引を禁止しているFX業者もある
一つずつ詳しく解説します。
1．経済指標の発表結果が値動きに影響を与えないこともある
重要度の高い経済指標であっても、値動きに影響を与えないこともあります。
米国小売売上高の発表では通常70pips、大きいときには200pipsの値動きがありますが、以下のケースでは上下50pipsに留まっています。
前回の発表内容と変化がなかったときや、予想値とのずれが小さかったときは、大きな値動きが起きないことがあるので注意しましょう。
基本的には、経済指標は細かい値動きの予測ではなく、大まかなトレンドを把握するときに活用するのがおすすめです。
2．スリッページが発生しやすくなる
経済指標の発表前後は、注文が集中しやすいので、FX業者の処理が遅れてスリッページが発生しやすくなります。
スリッページとは、注文価格とずれて約定してしまうことです。
スリッページが発生すると想定より利益が減ったり、注文が指定した価格で成立しないことでチャンスを逃したりする可能性があります。
そのような事態を避けるためにも、以下の特徴のある約定力が高いFX業者を選ぶようにしましょう。
- NDD方式を採用している
- システムの処理能力が高い
- サーバーの性能が高い
NDD方式の中でもECN口座を利用すれば、スリッページの発生リスクを抑えやすくなります。
▶スリッページがFXトレードに与える影響はこちらで詳しく解説！
▶ECN口座が利用できるおすすめのFX業者はこちらで詳しく解説！
3．ロスカットが実行される可能性がある
経済指標発表前後は、大きな値動きが発生しやすいので、短時間で含み損が拡大してロスカットを受けるリスクがあります。
ロスカットとは、保有ポジションの含み損が一定水準まで拡大すると、強制的に決済される仕組みです。
ロスカットによって口座残高がマイナスになると、証拠金を追加で入金しなければならない「追証（追加証拠金）」が発生します。
ロスカットを避けるためには、資金に対する保有ポジションの比率を下げたり、損切りラインを決めたうえでエントリーしたりすることが大切です。
なお、海外FX業者の多くはゼロカットシステムを採用しているため、追証の心配がほとんどありません。
ゼロカットシステムとは、口座資金以上の損失を受けたときにFX業者がマイナス分を補填してくれる仕組みです。
ゼロカットシステムを採用しているFX業者を選べば、預けた資金以上の損失を受けずに済みます。
BigBossではゼロカットシステムを取り入れているため、口座資金以上の損失を受けたくない方は、BigBossで口座開設をしてみましょう。
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▶FXのロスカットの意味や回避方法はこちらで詳しく解説！
▶ゼロカットシステム採用のおすすめの海外FX業者と選び方はこちらで詳しく解説！
4．経済指標発表時のみを狙った取引を禁止しているFX業者もある
FX業者によっては、経済指標発表時のみを狙ったハイレバ取引を禁止しているところがあります。
規約違反をすると、利益の没収や口座凍結をされる可能性があるので注意が必要です。
ペナルティを受けると、そのFX業者で二度と取引ができなくなることもあるので、規約を確認したうえで取引するようにしましょう。
▶経済指標発表前後のみを狙った取引が禁止されている理由はこちらで詳しく解説！
まとめ：重要な経済指標を押さえてFXトレードに活用しよう
経済指標は、各国の政府や中央銀行などが公表する経済動向を表す指標のことです。
米国の雇用統計やGDPといった為替相場に大きな影響を与えやすい経済指標は、注目度が高い指標といえます。
経済指標の発表タイミングや影響を受けやすい通貨ペアを押さえておけば、急な値動きにもすぐに対応しやすくなるでしょう。
経済指標の発表タイミングは、大きな利益を狙える反面、想定以上の損失を受ける可能性があります。
そのような状況にならないためにも、FX初心者は経済指標発表前後の取引を控えたり、事前にポジションを整理したりするようにしましょう。
口座残高以上の損失を被るリスクを抑えたい方は、ゼロカットシステムを採用しているFX業者を選びましょう。
ゼロカットシステムを採用しているFX業者を探している方には、BigBossをおすすめします。
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