利確するタイミングには正解がありません。
FXに慣れている中上級者であっても、利確のタイミングに悩んでいる人は多くいるくらいです。
そこでこの記事では、以下の内容について詳しく解説します。
この記事でわかること
- FXで利益を得るために利確が重要な理由
- 利確するタイミング10選
記事の後半では、利確するタイミングを決めるポイントについても紹介します。
ぜひ、最後まで読んでみてください。
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FXで利益を得るために利確が重要な理由
FXの取引で利益を得るためには、エントリーのタイミングが重要だと考えていませんか?
しかし、投資の世界で「利食い千人力」といった言葉があるように、実際にはエントリーよりも利確するタイミングの方が重要です。
FXにおいて利確が重要な理由は、直接的に損益に直結するからです。つまり、損益がプラスとマイナスのどちらになるかは、利確するタイミングによります。
そのため、利益を増やすにはどのタイミングで利確するのかあらかじめ決めておくとより良いでしょう。
FXで利確するタイミング10選
利確のタイミングは、トレーダーの採用しているトレードスタイルやルールによって決まります。
FX初心者の人は、まず利確するタイミングをどのように判断すればいいのか、一通り把握しておきましょう。
- サポートラインやレジスタンスライン
- トレンドラインやチャネルの高値と安値
- 高値あるいは安値更新をしなくなったタイミング
- リスクリワードに基づいた決め方
- フィボナッチリトレースメントに基づいた決め方
- キリの良い価格
- ゴールデンクロスやデッドクロス
- 時間がある程度経過した時
- 経済指標や要人発言の前
- トレール注文
それぞれのタイミングについて順番に解説します。
なお、相場はいつも想定通りに動くわけではありません。したがってこれから紹介するタイミングは、必ずしも利益を得られるわけではないので注意が必要です。
1. サポートラインやレジスタンスライン
為替相場は常に上下を繰り返しながら動いています。
為替相場では一方向に価格が動くよりも、一定の価格帯での値動きが発生するレンジ相場の方が多く出現します。
特に何度も価格が反転しているサポートライン(以下サポート)やレジスタンスライン(以下レジスタンス)は、保有ポジションを利確するのにぴったりのタイミングです。
以下のチャートを見てみましょう。高値にある価格帯がレジスタンス、安値にある価格帯がサポートと呼ばれています。
レジスタンスの付近では、一旦上昇が止まる可能性があるため、買いのポジションを利確した方が良いです。
逆に、サポート付近では下落が止まる可能性があるので、売りのポジションを利確しましょう。
サポートやレジスタンスは、直近の価格だけで作用するわけではありません。
以下のチャートの②の箇所を見ると、過去に作用したサポート付近まで価格が落ちてきた際に、一旦下落が止まっています。
結果的にその後再度下落しましたが、サポートでの反発をきっかけに上昇していた可能性もあります。
長期的なサポートやレジスタンスを確認した場合は、一旦ポジションの利確を検討しましょう。
2. トレンドラインやチャネルの高値と安値
FXのチャート分析において、直近の高値や安値同士を結ぶ方法があります。これらの方法により出現するトレンドラインやチャネルも、一旦それまでの動きが止まりやすい価格帯です。
以下のチャートはチャネルと呼ばれる形です。チャネルの上側では何度も反転下落しており、逆にチャネルの下側でも反転上昇している箇所があります。
このようにチャネルの上限や下限は、一旦それまでの動きと逆方向に価格が動きやすいので、利確しても良いタイミングです。
3. 高値あるいは安値更新をしなくなったタイミング
為替相場では、時に一方向へ急激に価格が動くケースもあります。
以下のチャートでは、ほぼ安値を更新し続けており、とにかくショート(売る)していれば利益の出やすい局面でした。
しかし、途中で下落の動きが止まった箇所を見ていると、安値更新が止まっており、ついには直近の高値を超えつつあります。
このような場合、一旦トレンド相場が終了する可能性があるので、利確した方が安全です。
実際にその後の値動きを見ると、徐々に上方向へ価格が動いています。
4. リスクリワードに基づいた決め方
利確の決め方に、リスクリワードと呼ばれる方法を用いている人もいます。
リスクリワードとは、1回のトレードにおける損失と利益の比率のこと。
例えば、1回の取引で取るリスク(損失)が100pips、利益が300pipsの場合のリスクリワードは1:3です。
当然、利益の割合が大きいほど、トータルの損益は良くなります。
以下のチャートを見ると、エントリーした価格は129円で、エントリーから損切りまでの値幅は100pipsです。
この時、リスクリワードが1:1の人は、損切りになった場合と同じ利益を狙いにいきます。
今回のケースでは100pipsの損失を受け入れているので、狙う利益も100pipsです。よって130円を利確するタイミングにします。
そして、リスクリワードを上げた場合は、利確ポイントはどんどん伸びていきます。
例えばリスクリワード1:2の人は、利益を損切りまでの値幅の2倍となる利益を狙うので、200pips(100pipsの2倍)先の131円で利確するのです。
5. フィボナッチリトレースメントに基づいた決め方
フィボナッチリトレースメントとは、トレンド相場の反発や反落をフィボナッチ比率を用いて、判断するテクニカル指標です。
以下のチャートでは、過去の高値や安値から一定の比率(38.2%、50%、61.8%など)の場所にラインを引いています。
そして丸で囲われた箇所を見ると、いずれも価格がフィボナッチ比率の水準で反転しています。
そのため、ポジションを保有していて価格がフィボナッチ比率に近づいてきたら、反転を警戒して一旦利確する人もいるのです。
フィボナッチリトレースメントを引いておけば、初心者でもどの価格帯でポジションを利確すれば良いのか判断できるようになります。
6. キリの良い価格
FXの取引をしているトレーダーの多くは、100円や101円といったキリの良い価格を意識しています。
実際、価格がずっと上昇していて、キリの良い価格まで到達した後すぐに反転するケースも珍しくありません。
以下のチャートはドル円の日足チャートです。途中までは、ドル円の価格が大きく上昇しています。
しかし、150円という20年以上到達していなかった節目の価格に到達した後、すぐに下落しました。
節目の価格は、一旦利確しておこうと考えるトレーダーも多いため、反転を警戒しなければなりません。
7. ゴールデンクロスやデッドクロス
テクニカル指標では、2本のラインが交差するゴールデンクロス(上昇しやすくなる場合)とデッドクロス(下落しやすくなる場合)の発生で利確する方法もあります。
以下のチャートでは、左側で青いラインが赤いラインを上回った後、価格が上昇し続けています。
そして、青いラインが赤いラインを下回るデッドクロスが発生した時は、利確した方が良いでしょう。
なぜなら、デッドクロスが発生すると、その後大きな下落が発生する可能性があるからです。
次に以下のチャートを見ると、デッドクロスが発生した後、価格が大きく下落しています。
しかし、ゴールデンクロスが発生する頃には価格も底から反転しているため、利確すべきタイミングです。
ここまで紹介してきたゴールデンクロスやデッドクロスは移動平均線のものでしたが、他のテクニカル指標でも同様の現象は発生します。
例えば、以下のチャートにはMACDと呼ばれるテクニカル指標を載せています。MACDの場合もゴールデンクロスとデッドクロスでの利確は有効です。
実際、デッドクロス発生後に価格が下落したり、ゴールデンクロスの発生により価格が上昇したりしています。
8. 時間がある程度経過した時
FXではエントリーした後、必ずしもどちらかに大きく価格が動くわけではありません。
例えば、その日のうちにエントリーから決済まで完結するデイトレードで取引する場合、夜寝るまでに利確をしなければなりません。
しかし、エントリーしたのに目標とする含み益を得られていないケースもあります。
このような時に、もっと利益を欲しいからと次の日の朝までポジションを持ち続けた場合、寝ている間に急激な変動が発生して大きな損失を被る可能性があります。
デイトレードの場合、目標とする含み益を得ていなくても、損を避けるために利確しなければなりません。
9. 経済指標や要人発言の前
為替相場で大きな値動きが発生する要因の1つが、経済指標の発表や要人発言です。
経済指標や要人発言の前後は、大きな利益を得られる反面、逆に損失を被るリスクも高くなります。
以下は、2022年11月30日の27時30分(日本時間)前後のチャートです。
実は、この日パウエルFRB議長の発言があると報じられていました。よって、損失リスクを避けるために、パウエル議長の発言がある前にポジションを閉じていた人もいます。
経済指標や要人発言といったイベントが近い時は、損失リスクを避けられるように利確しておくのも1つの手です。
10. トレール注文
FX業者の中には、相場の値動きに応じて決済する価格もついていくトレール注文と呼ばれる方法があります。
トレール注文は、離席する際や寝る時などチャートをずっと見られないタイミングで重宝する注文方法です。
例えば、以下のチャートを見ると140.1円付近で買いエントリーをしています。
そして140.6円まで上昇した時に、トレール幅40pipsの逆指値注文(現在の価格は140.2円)を入れるのです。
このケースでは、ドル円の価格が上昇し続けると、逆指値注文の値も40pipsの値幅を保ちつつ一緒に上がっていきます。
そして、142円から141.6円まで下落した時(最高値から40pips下落)に、逆指値にかかり自動的に決済されました。
仮にトレール注文をせずに通常の逆指値注文をしていた場合、逆指値の価格はいまだに140.2円なので、多くの利益を得られなかった可能性があります。
FXの世界では、一時的に大きな値動きが発生しても、数時間で元の価格に戻ってくるケースも珍しくありません。
トレール注文を使いこなせば、より確実に利益を得やすくなるのです。
利確を設定するときのポイント
この章では、取引で利確を設定する時のポイントについて紹介します。
- 利確のタイミングが早すぎると利益は伸びない
- 他のルールと併用しても良い
- 利確を後悔しそうなら分割決済も使う
順番にそれぞれのポイントを見ていきましょう。
1. 利確のタイミングが早すぎると利益は伸びない
FXでは利確のタイミングが早すぎると利益がなかなか伸びません。
よって、一般的にはできる限り利確のタイミングは伸ばした方が、トータルの成績は良くなるとされています。
特に含み益を失いたくないからとすぐに利確する癖がついている人は、新規注文時に利確注文も設定するといったように、感情が介入しない方法で取引しましょう。
2. 他のルールと併用しても良い
ゴールデンクロスやデッドクロスなどテクニカル指標で利確を決める場合、思ったよりも利益が伸びないケースもあります。
そのため、利確する方法によっては、他の方法と併用して少しでも勝率を高くしましょう。
例えば、サポートやレジスタンス、フィボナッチリトレースメントとの併用です。どの方法と併用するかは、自身でも過去のチャートで検証をして決めましょう。
3. 利確を後悔しそうなら分割決済も使う
FXの取引を始めた頃は、1回で全てのポジションを利確する人が大半です。しかし、1回で全ポジションを利確する場合、その後の値動きで利益を取り逃して後悔する人もいます。
利益を取り逃して後悔したくないのであれば、分割決済をおすすめします。
例えば、149円でドル円のロングポジションを保有する場合、以下のように少しずつポジションを利確していくのです。
- 150円で半分のポジションを利確
- 151円で4分の1のポジションを利確
- 152円で残りの4分の1のポジションを利確
この方法を使えば、徐々に反転するリスクを抑えながら確実に利益を確保できます。特にトレンド相場で利確をする際に利用してみましょう。
まとめ:
FXの取引をする時は、利確のルールを決めておこう
FXの取引では、エントリーのタイミングも重要ですが、利確も同等にとても重要です。
利確するタイミングはトレーダーによって異なります。自分のトレードルールに合ったタイミングで利確しなければなりません。
なお、FXの取引では少ない資金で多くの利益を狙えるFX業者を選びましょう。
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